パソコンを買ったときに勧められて、なんとなく入れた有料のウイルス対策ソフト。「安全のため」と契約したVPN。毎年、自動で更新されて、気づけば何年も払い続けている——そんな人は多いと思います。でも結論から言うと、ふつうの使い方なら、どちらも要りません。今日はその理由と、解約する前に確認しておきたいことを書きます。
WindowsもMacも、標準の守りで十分
Windows 10・11には、最初から「Microsoft Defender(マイクロソフト ディフェンダー)」というウイルス対策が入っています。無料で、何もしなくても動いています。
「無料だから弱い」と思われがちですが、そうではありません。ウイルス対策ソフトを比べている第三者のテスト機関「AV-TEST」の2026年6月の結果では、Microsoft Defenderは防御力で6.0点満点中6.0点。動作の軽さや使いやすさも高い点数で、優秀な製品に贈られる「TOP PRODUCT」にも選ばれています。新しいウイルスも、出回っているウイルスも、テストでは100%防いでいました。
Macも同じです。Macには最初から、ウイルスを防ぐ仕組みが何重にも入っています。Appleの説明によると、守りは3段階。まず、アプリをAppleが事前にチェックし、危ないアプリはそもそも起動させない(Gatekeeperと公証という仕組み)。次に、もし入り込んでも、標準のウイルス対策「XProtect」が既知のウイルスの実行を止める。それでも動いてしまったものは、見つけて取り除く。しかもXProtectのウイルス情報は、初期設定のまま毎日自動で更新されます。
WindowsでもMacでも、何も買い足さなくても、パソコンはちゃんと守られているのです。
有料ソフトの料金は「おまけの機能」の代金
有料のウイルス対策ソフトの料金は、製品や台数にもよりますが、年に数千円から1万円前後。標準の守りがここまで強い今、その料金で買っているのは、ウイルスを防ぐ力そのものより、次のような「おまけの機能」です。
- パスワードを保存・管理する機能
- 自分の個人情報がネットに流出していないか調べる機能
- 子どものネットの使い方を見守る機能
- 家族の何台もの端末をまとめて管理する機能
- 電話などで相談できるサポート
なお、有料ソフトを入れても、標準の守りと二重に守られるわけではありません。Windowsの場合、ほかの会社のソフトを入れると標準のDefenderは自動で止まり、入れたソフトと入れ替わります。
上のおまけの機能を「使っていない」「別の無料の方法で足りている」なら、有料ソフトは今すぐ解約しましょう。
VPNは、ふつうの暮らしでは要らない
VPNは、インターネットの通信を暗号化したトンネルに通す仕組みです。役に立つのは、主に次のような場面です。
- 海外にいるときに、日本でしか見られない動画やサービスを見たい
- カフェや駅などの、公共のフリーWi-Fiを使う
ただ、今はほとんどのウェブサイトが「https」で通信を暗号化していて、アドレス欄に鍵のマークが出ます。自宅のネットやスマホの回線で普段使いする分には、VPNがなくても困ることはまずありません。海外に長くいる人や、フリーWi-Fiを毎日のように使う人でなければ、月額で払い続ける必要はありません。
ひとつ注意があります。無料で、どこの会社かよく分からないVPNアプリは、かえって危険です。ある分析では、スマホ向けのVPNアプリの38%にマルウェアが見つかったと報告されています。使うなら、運営元がはっきりしたものを、必要なときだけ使いましょう。
解約する前に、これだけ確認
- Defenderが有効になっているか:有料ソフトを消したあと、Windowsの「Windows セキュリティ」を開いて、ウイルス対策がオンになっているか確認する。
- WindowsもMacも、アップデートを止めない:守りの強さは、更新があってこそです。Macは、標準の守りに特別な設定はいりません。
- 契約の中身:自動更新の日、複数年契約の残り、途中解約で返金があるかを確認する。
- パスワードの引っ越し:有料ソフトのパスワード管理を使っていたなら、解約前にブラウザなどへ移しておく。
- 家族の端末:家族の分もまとめて契約していないか確認する。
まとめ|「なんとなく安心」に払い続けない
Windows標準のDefenderは、第三者のテストで満点を取るほど優秀です。Macにも、アプリの事前チェックから毎日更新されるウイルス対策まで、何重もの守りが最初から入っています。有料ソフトの料金は、ほとんどが「おまけの機能」の代金。VPNも、海外やフリーWi-Fiでたまに使う程度なら、毎月払い続ける必要はありません。
こうした「なんとなく払っているサブスク」は、一つひとつは小さくても、積み重なると大きな差になります。スマホ代の見直しや、アプリ課金の見直しも、あわせてどうぞ。
※会社から支給されたパソコンは、会社の決まりに従ってください。参考:AV-TEST「Microsoft Defender Antivirus (Consumer) for Windows 11, June 2026」、Apple「Protecting against malware in macOS」、Microsoft Learn「Microsoft Defender Antivirus compatibility with other security products」、NEC資料(総務省掲載)「公衆無線LANを安全に使用する為の利用者の自衛手段について」。

