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現金だけの貯金が、いちばん危ういかもしれない|配達員の私が、これからオルカンを始める理由

節約・お金
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借金を任意整理で完済したとき、正直、ほっとしました(その全記録はこちら)。毎月の返済に追われる日々が終わって、ようやく手元に少しだけ余裕ができた。

でも、そのお金をただ銀行口座に置いておくうちに、今度は別の不安が出てきました。「この現金、このまま置いておくだけでいいんだろうか」と。

先に言っておきます。私はこれから投資を始める側で、まだ何かで儲けた人間ではありません。だからこの記事は「これで儲かる」という話ではなく、「なぜ私が、現金だけで持つのをやめて、これから少しずつ投資に回そうと決めたのか」という、考え方の話です。投資は自己責任で、元本割れの可能性もあります。誰かに勧めるためではなく、同じように迷っている人の参考になれば、という気持ちで書きます。

なぜ「現金だけ」がリスクになりうるのか

「貯金がいちばん安全」。私もずっとそう思っていました。実際、元本が減らないという意味では安全です。

ただ、ここには見落としがちな落とし穴があります。物価が上がっていく(インフレ)と、同じ金額で買えるものが、だんだん減っていくんです。数字の上では100万円のままでも、その100万円で買えるモノやサービスが少なくなっていけば、実質的にはお金の価値が目減りしている。近年、いろいろなものが値上がりしているのは、あなたも日々の買い物で感じているはずです。

このシリーズでは、これまで「割高な金融商品の罠」を避けようという話を書いてきました。でも、よく考えると、「何もせず現金のまま置いておく」ことも、インフレが続く世界では、別の種類のリスクなんです。減らないけれど、静かに目減りしていく。ここに気づいたのが、私が投資を考え始めたきっかけでした。

株式が「インフレに強い」と言われる理由

では、どうやってそのリスクを避けるか。よく言われるのが「株式はインフレに強い」ということです。

理由はシンプルで、株式というのは企業の活動そのものだからです。物価が上がれば、企業が売るモノやサービスの値段も上がり、企業の売上も伸びていく。だから、経済全体が成長していく限り、株式の価値も長い目で見れば上がっていきやすい、という考え方です。実際、世界全体の株価は、長い時間軸で見ると、上下を繰り返しながらも右肩上がりを描いてきました。

ただし、ここは正直に、はっきり分けて書きます。これはあくまで「過去がそうだった」という話であって、これからも必ず上がり続けることを保証するものではありません。 未来は誰にも分かりません。「過去の傾向」と「未来の約束」は、まったくの別物です。ここを混同すると、痛い目を見ます。

毎月同じ額を、淡々と積み立てる

オルカンのようなインデックス投資で私が続けようと思っているのは、「ドルコスト平均法」と呼ばれる、毎月決まった金額を積み立てていくやり方です。株価が高いか安いかに関わらず、たとえば毎月5万円ずつ、と決めた額を淡々と買い続けます。買うタイミングを自分で見極める必要がなく、相場に一喜一憂せずに済むのが、配達で疲れて帰ってくる自分には合っていると感じています。

長期で積み立てを続ける意味があるとされるのは、「複利」の考え方があるからです。増えた分がさらに次の運用に回っていくため、時間をかけるほど効いてくる、と言われています。投資家のウォーレン・バフェットは、これを「坂を転がる雪だるま」にたとえています。最初は自分で押して少しずつしか進まないけれど、雪をまといながら転がるうちに、やがて自分の勢いで大きくなっていく——というイメージです。

実際、投資の世界でよく知られた話があります。あのバフェットですら、その資産の大半(9割以上とも言われます)は、65歳を過ぎてから築かれたというのです。若い頃から投資を続けてきた彼の「雪だるま」が、長い年月をかけて十分な大きさに育ち、後半で一気に効いてきた——複利と時間の力を象徴するエピソードとして語られています。もちろん、これは世界一の投資家という特別な例です。私たちがそのまま真似できる話ではありませんが、「時間をかけるほど効いてくる」という複利の性質そのものは、誰にとっても同じです。

イメージをつかむために、金融庁の「つみたてシミュレーター」で試算してみます。仮に毎月5万円を積み立て、年6%のペースで運用できたとしたら、という前提での数字です。

  • 10年後:積み立てた元本は600万円。評価額はおよそ819万円(増えた分は約219万円)
  • 20年後:元本1,200万円に対して、評価額はおよそ2,310万円(増えた分は約1,110万円)
  • 30年後:元本1,800万円に対して、評価額はおよそ5,023万円(増えた分は約3,223万円)

元本に対して、10年で約1.4倍、20年で約1.9倍、30年で約2.8倍。同じ金額を積み立てても、続ける期間が長いほど「増えた分」が大きく膨らんでいくのが分かります。これが複利と、長い時間を味方につけるということです。

ただし、ここは強調しておきます。これはあくまで「年6%が30年間ずっと続いたら」という、かなり都合のいい前提での計算です。現実の相場は毎年きれいに6%増えるわけではなく、大きく下がる年も、元本を割り込む時期も必ずあります。

加えて、オルカンは世界中の株式に投資するため、為替の影響も受けます。ここ数年は円安が評価額を押し上げる方向に働きましたが、為替は逆に振れることもあります。円高が進めば、同じ株価でも円で見た評価額は下がります。為替は「増える理由」にも「減る理由」にもなる、という点は頭に入れておきたいところです。

数字はあくまで「複利のイメージ」であって、約束された未来ではありません。それでも慌てて売らずに続けられるかどうかが、いちばん試されるのだと思います。

ただし、投資は「増える保証」ではない

ここは、この記事でいちばん正直に書いておきたいところです。

投資は、ほうっておけば増える魔法ではありません。株価は、当たり前のように暴落します。 過去にも、世界的に株価が半分近くまで下がった局面は何度もありました。私がこれから始めようとしているものも、始めた直後に大きく下がって、しばらく含み損(買ったときより値下がりした状態)を抱える、ということは十分にありえます。元本割れの可能性は、常にあります。

だから、大事な前提が2つあります。ひとつは、すぐ使う予定のあるお金は投じないこと。生活費や近い将来に使うお金ではなく、当面使う予定のない余裕資金の範囲でやること。もうひとつは、下がったときに、慌てて売らないこと。長期の投資でいちばん多い失敗は、暴落に耐えられず、底値で売ってしまうことだと言われます。下がっても続けられる金額と気持ちの余裕を持てるか——ここが、始める前に自分に問うべき一番のポイントだと思っています。

なぜ「オルカン(全世界株式)」なのか

そのうえで、私がこれから買おうと思っているのが、いわゆる「オルカン」——全世界の株式にまとめて分散投資するタイプの投資信託です。

このシリーズでは、毎月分配型の投資信託や、手数料の高いアクティブファンド、貯蓄型保険といった「割高になりやすい商品」を、繰り返し注意点として挙げてきました。オルカンが良さそうだと思ったのは、それらのちょうど対極にあるからです。手数料(信託報酬)が低く、世界中に分散されていて、長期で持つことを前提にしている。特定の1社や1つの国に賭けるのではなく、世界経済全体に少しずつ乗る、というイメージです。

もちろん、「オルカンなら儲かる」という話ではありません。これも当然、値下がりします。ただ、「割高な商品を避けたい」「特定のものに集中させたくない」という人が、最初に候補として検討しやすいものだ、と私は考えています。具体的な商品名でいうと「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などが有名で、後で触れる主要なネット証券であれば、どこでも買えます。

新NISAという「非課税の器」

もうひとつ、これから始めるなら知っておきたいのが「新NISA」です。ざっくり言うと、投資で得た利益にかかる税金が、一定の枠内で非課税になる制度です。通常、投資の利益には約2割の税金がかかるので、これは大きい。

仕組みを簡単に整理します。新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあって、両方を併用できます(以前の旧NISAは、どちらか一方しか選べませんでした)。年間の投資上限は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、合わせて年間360万円。ただし、どちらか片方だけで360万円を使うことはできません。そして、非課税で持てる金額は生涯で1,800万円まで(うち成長投資枠は1,200万円まで)、非課税の期間は無期限です。

オルカンをコツコツ積み立てるなら、主に使うのは「つみたて投資枠(年間120万円)」になります。いきなり枠を使い切る必要はまったくなくて、月に数千円からでも始められます。無理のない金額で、という考え方は、私が車を一括で買ったときや、借金を返していたときと、根っこは同じです。身の丈に合わせる、ということです。

(※制度の数字は変わることもあるので、実際に始める前に金融庁のNISA公式ページで最新をご確認ください。)

なぜ楽天証券・SBI証券なのか

投資信託を買うには、証券口座が必要です。私がこれから使おうと思っているのは、楽天証券とSBI証券です。理由は、コスト(手数料)です。

このあたりは、あなたのイメージどおり「ネット証券は手数料が安い」で、実際、楽天証券もSBI証券も、国内株式の売買手数料が無料です。ただし、ここは正直に条件も書いておきます。完全に無条件でゼロなのではなく、楽天証券は手数料コースを「ゼロコース」に設定すること、SBI証券は取引報告書などを電子交付にする設定をすること、が条件になります。設定さえすれば0円、ということです。

一方で、昔ながらの対面型の証券会社(店舗で担当者がつくタイプ)は、オンライン取引でも手数料がかかることが多いです。ただ、これは対面が悪いという話ではなく、担当者に相談できる・情報をもらえるといった価値があるので、そこにお金を払う、という考え方です。自分で調べて自分で決められる人なら、ネット証券のほうがコストを抑えられる、というだけのことです。

では楽天証券とSBI証券のどちらがいいのか。正直、手数料に関してはほぼ互角です。細かく言えば、手数料に対して付くポイントがSBIのほうがわずかに多い、といった違いはありますが、決め手になるほどではありません。あとは、楽天ポイントを普段使っているなら楽天証券、といった「自分がどの経済圏にいるか」の好みで選べばいい範囲だと思います。私はこれから始める立場なので、「使い込んだ結論」ではなく「コストで見て、この2社を候補にしている」というところまでにしておきます。

楽天証券の口座開設やNISAの詳細は、楽天証券のNISA公式ページで確認できます。手数料や取扱商品は変わることがあるので、実際に始める前に最新の情報を見ておくと安心です。

手数料や使い勝手に大きな差はないので、「どこでもいい」というのが正直なところです。そのうえで私自身は、普段の楽天のサービスと同じIDで使えて画面が分かりやすかったこともあり、まず楽天証券から始めてみることにしました。特別に「ここが一番」という話ではなく、あくまで私が選んだ一例として、入口を置いておきます。

まとめ:増やすためではなく、偏らないために

最後に、正直なところを。

投資は、誰にでも勧められるものではありません。余裕資金でやること、長期で続けること、下がっても慌てないこと——この前提が満たせないなら、無理に始める必要はないと思います。

でも、「現金だけで持っておけば安心」という常識も、インフレが続く世界では、少しずつ崩れてきている。減らないけれど、静かに目減りしていく。それもまた、ひとつのリスクです。

だから私は、これから、無理のない金額で、つみたて投資枠を使ってオルカンを始めようと思っています。大きく増やしたいというより、現金だけに偏っている状態から、少しだけバランスを取りたい。そんな感覚です。

私もまだスタートラインに立ったところです。だからこそ、同じように「貯金だけでいいのかな」と迷っている人と、同じ目線でこの記事を書きました。始めるも始めないも、最後はあなた自身が、納得して決めてください。

@tk_fooddeli

フードデリバリー・Amazonフレックス・宅急便で5年以上稼働する現役配達員。軽トラで20万9,000kmを走り抜き、現在は軽スーパーハイトワゴンで稼働中。実体験ベースで、軽自動車稼働・維持費・お金の話を発信しています。

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