フードデリバリーで稼働するとき、車両選びで見落としがちなのが任意保険料の差です。車両費やオイル代に目が行きがちですが、毎月固定でかかる保険料は、長期で見ると経費に大きく響きます。実際に保険会社に問い合わせて分かった、車種区分による保険料の大きな差を共有します。
■軽トラの任意保険料は月20,800円だった
以前、軽トラで稼働していたころの話です。黒ナンバーを取得して事業用として使っていた軽トラの任意保険料が、月20,800円。高いとは思いながらも「事業用だから仕方ない」と思っていました。
■プライベートの軽スーパーハイトワゴンで聞いてみたら……
私「軽トラでウーバーイーツをやっていて、任意保険料が月20,800円なんです。プライベートの軽スーパーハイトワゴンを黒ナンバーに変更した場合、事業用の保険料はどうなりますか?」
保険会社「えーっと、4,300円です」
私「安っ!!なんでそんなに違うんですか?」
保険会社「軽トラ・軽バンの区分は軽貨物車、スーパーハイトワゴンは自家用車になります。荷物の容積の問題で、軽貨物車は保険料が必然的に高くなります」
■車種区分で保険料が約5倍変わる
- 軽貨物車(軽トラ・軽バン):月額約20,000円前後
- 自家用車(スーパーハイトワゴン等):月額約4,000〜5,000円
※筆者の実体験に基づく金額です
筆者の場合、軽トラ事業用任意保険料は当初月約17,000円でした。その後、建物に接触する事故を2回起こしたことで月20,800円まで上昇しました。同業の配達員仲間に聞いたところ、軽バンの事業用任意保険料は月1万円後半が相場とのことでした。実際の保険料は等級・事故歴・保険会社によって異なります。必ず保険会社への見積もりで確認してください。
同じ黒ナンバーでも、車種の区分によって保険料が約5倍変わります。
■稼働車両を選ぶならスーパーハイトワゴン一択
当ブログでは軽自動車での稼働にスーパーハイトワゴンを強くおすすめしています。理由は保険料だけではありません。
- 荷物もそこそこ積める
- 自家用車区分なので保険料が安い
- 中古市場に玉数が多く車両費も抑えやすい
- 室内高が高く長時間の稼働でも疲れにくい
- 日本で最も売れている軽自動車のカテゴリーなので部品調達・整備がしやすい
スーパーハイトワゴン人気TOP5(販売台数順)
| 順位 | 車種 | メーカー | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | N-BOX | ホンダ | ダントツ1位・年間21万台超・信頼性No.1 |
| 2位 | スペーシア | スズキ | 年間16万台・燃費性能が高い |
| 3位 | タント | ダイハツ | ミラクルオープンドアで乗り降りしやすい |
| 4位 | ルークス | 日産 | プロパイロット搭載・運転支援が充実 |
| 5位 | eKクロス スペース | 三菱 | SUVテイストのデザイン |
中古市場ではN-BOX・スペーシア・タントの玉数が特に多く、予算に合わせて選びやすいです。稼働車両として選ぶならまずこの3車種から探すことをおすすめします。
スーパーハイトワゴン vs 軽バン 荷室寸法比較
| N-BOX(スーパーハイトワゴン) | エブリイ(軽バン) | |
|---|---|---|
| 荷室長 | 約1,535mm | 約1,955mm |
| 荷室幅 | 約1,160mm | 約1,240mm |
| 荷室高 | 約1,400mm | 約1,240mm |
軽バンのほうが荷室長は約42cm長いが、スーパーハイトワゴンは荷室高が約16cm高い。フードデリバリーや軽い荷物なら十分対応できる。
■中小企業の方へ——車両を変えるだけで年間170万円近く変わる(さらにフリート契約で劇的に削減)
まず用語を確認しておきます。
ノンフリート契約とは、所有する車が9台以下の場合に適用される保険契約です。1台ずつ個別に等級で管理されます。個人事業主も法人(9台以下)も同じ仕組みです。最大割引率は63%です。
フリート契約とは、所有する車が10台以上の場合に適用される保険契約です。会社単位の一括契約となり、等級制度ではなく損害率で保険料が決まります。最大割引率は70〜80%です。ただし最大割引率はすぐには適用されず、無事故を継続することで年々割引率が上がっていきます。
【ステップ1】車種変更だけで年間約170万円削減
ノンフリート契約で軽トラ・軽バンを9台所有している場合を考えてみます。
| 車種 | 月額保険料 | 年間保険料 | 9台合計(年間) |
|---|---|---|---|
| 軽トラ・軽バン(軽貨物) | 約20,000円 | 約240,000円 | 約2,160,000円 |
| 軽スーパーハイトワゴン(自家用) | 約4,300円 | 約51,600円 | 約464,400円 |
| 差額 | 約15,700円 | 約188,400円 | 約1,695,600円 |
9台すべてをスーパーハイトワゴン(N-BOX・スペーシア・タント・ルークスなど)に変えるだけで、年間約170万円の保険料削減になります。
【ステップ2】さらに10台以上にしてフリート契約へ
10台以上になるとフリート契約が適用されます。フリート契約では最大70〜80%の割引率が適用されます。10,000円の保険料が最大2,000円になるイメージです。
ただし最大割引率はすぐには適用されません。無事故を継続することで年々割引率が上がっていきます。
| 状況 | 月額合計 | 年間合計 |
|---|---|---|
| 軽トラ・軽バン10台(現状) | 約200,000円 | 約2,400,000円 |
| 軽スーパーハイトワゴン10台(車種変更後) | 約43,000円 | 約516,000円 |
| フリート契約・無事故継続(最大80%割引後) | 約8,600円 | 約103,200円 |
| 現状との差額 | 約191,400円 | 約2,296,800円 |
車種変更+フリート契約継続で年間約230万円の削減が見込めます。
ただし以下の点に注意してください。
- フリート契約は事故の件数ではなく保険金の支払額で翌年の保険料が決まる
- 1回の大事故で翌年の保険料が大幅に上がるリスクがある
- 最大80%割引はあくまで無事故継続が前提
- 実際の保険料は保険会社への見積もりが必要
まず保険会社に電話して、車種変更後の保険料とフリート契約の詳細を確認してください。内容に納得できれば、順次切り替えていけばいいだけです。
現実の壁——乗り換えには初期コストがかかる
この節約効果は非常に魅力的ですが、乗り換えには現実的な壁があります。状況別に整理します。
①ローンが残っている場合
車にローンが残っている場合、所有者はローン会社です。乗り換えの際には残債を一括返済するよう求められます。残債を一括返済できる資金があれば乗り換え可能ですが、現実的には難しいケースが多いです。
ただし残債よりも車の売却価格が高い場合(プラス査定)は、売却益で残債を返済して乗り換えられる可能性があります。まず査定に出して確認してみてください。
②ローンなし・自己所有の場合
売却して乗り換えることは可能です。ただし乗り換えにかかる実際のコストは車両価格だけではありません。
- 車両価格
- 車検取得費用(約10〜15万円・車検なし物件の場合)
- 輸送費(遠方の物件の場合)
- 黒ナンバー取得費用
- 任意保険の切り替え手続き
トータルで相当な初期費用がかかります。
判断の基準
乗り換えを検討する前に以下の順番で確認してください。
- まず保険会社に電話して車種変更後の保険料を試算してもらう
- 年間の削減額を計算する
- 乗り換えにかかる初期コストと比較する
- 初期コストを何年で回収できるか計算する
- 回収期間が現実的であれば乗り換えを検討する
また実際に乗り換える前に、スーパーハイトワゴンを半日程レンタルして、普段使っている道具・工具・商品などを積み込んでみることをおすすめします。積載量や使い勝手を体で確認してから判断するのが確実です。
保険料の削減効果が大きいほど回収期間は短くなります。9台・10台以上の台数を保有している法人であれば、乗り換えコストを差し引いても十分に元が取れる可能性が高いです。
「中古車って、すぐ壊れるんじゃないの?」と思ったら
車両を変えるといっても、「中古車はすぐ壊れる」「距離を走っている車は不安」という声はよく聞きます。
結論から言うと、軽自動車は正しく乗れば20万kmでも普通に走ります。フードデリバリーや配達で毎日乗るなら、むしろ「どう乗るか」のほうが寿命に直結します。
具体的なエピソードと維持のコツはこちらの記事にまとめています。

