「エアコンが値上がりする」「2027年から使えなくなる」——SNSで、そんな話を見かけた人もいるはずです。いわゆる「エアコン2027年問題」。なんだか不安をあおる言葉ですが、結論から言うと、慌てる必要はありません。
何が起きるのか、そして本当にやるべきことは何か。落ち着いて整理します。
先に結論
- 「2027年問題」とは、2027年あたりに2つの規制(省エネ基準の引き上げと、冷媒の規制)が重なる節目のこと
- これにより、安くてシンプルなモデルが減り、エアコンが値上がりする可能性が指摘されている
- ただし、慌てなくていい。今使っているエアコンは2027年以降もそのまま使えるし、修理もできる(公的機関も明言)
- 影響が出るのは「新しく買うとき」だけ。今あるエアコンをどうこうする話ではない
- やるべきことは3つ。①壊れていないなら慌てて買い替えない ②買い替えるなら計画的に・総額で判断 ③補助金を活用し長く使える機種を選ぶ
- 体が資本の配達員にとって、夏に休む環境は「仕事を続けるための備え」。煽られず、必要なら賢く備える
「2027年問題」の正体——2つの規制が重なる
まず、何が起きるのかから。
「2027年問題」は、ひとつの出来事ではなく、2つの規制が2027年あたりに重なることから、そう呼ばれています。
- 省エネ基準の引き上げ。2027年4月(2027年度)から、エアコンの省エネ基準(APF=通年エネルギー消費効率)が引き上げられます。たとえば6畳用(2.2kW)の壁掛け形で、APFが5.8から6.6へ。機種によっては最大で3割超の改善が必要とされます。基準を満たせない安くてシンプルな低性能モデルは作りにくくなり、安い価格帯の製品が減って、全体的に値上がりする可能性があります
- 冷媒(フロン)の規制。地球温暖化対策の国際的な約束(キガリ改正)や、フロン排出抑制法によって、温暖化係数(GWP)の高い冷媒が段階的に削減されます。日本は、2011〜13年平均と比べて、冷媒の消費量を2024年から40%、2029年までに70%以上削減する必要があります。これに伴い、より環境負荷の低い次世代冷媒への移行が進み、その安全対策などのコストが、本体価格に乗る可能性があります
この2つが重なって、「エアコンが値上がりするかも」と言われているわけです。
でも、慌てなくていい
ここが、一番大事なところです。
「2027年に使えなくなる」というのは、誤解です。資源エネルギー庁が公開しているQ&Aでは、次のように説明されています。
- 今使っているエアコンは、2027年4月以降もそのまま使えます。買い替える必要はありません
- 省エネ基準(トップランナー制度)は、メーカーに対する制度です。出荷する製品全体の平均で評価するもので、既存のエアコンが使えなくなる制度ではありません
- 修理も、できなくなりません。メーカーは製造完了後におおむね10年の部品保有期間を設けており、その間は修理が可能なのが一般的です
つまり、影響が出るのは「これから新しく買うとき」だけ。今あるエアコンを慌てて買い替える話ではないのです。
今からやるべき対策3つ
そのうえで、落ち着いてやっておくといいことが3つあります。
- ① 壊れていないなら、慌てて買い替えない。「値上がりする前に」と煽られても、まだ使えるエアコンを早く替えれば、それ自体がムダな出費です。今のエアコンが元気なら、そのまま使い続けるのが一番おトクです
- ② 買い替えを考えているなら、計画的に・総額で判断する。寿命が近い、もう古い、という場合は、値上がり前に検討するのも一案。ただし、見るのは本体価格だけではありません。省エネ性能と電気代(ランニングコスト)を含めた「総額」で選ぶ。安い旧モデルが、電気代で高くつくこともあります。そして、残価設定や分割(借金)してまで慌てて買わないこと。必要なら、預貯金で計画的に
- ③ 補助金を活用し、長く使える機種を選ぶ。自治体によっては、省エネ家電の購入支援があります。部屋に合った適正な容量を選び、信頼できる施工・こまめなメンテで長持ちさせれば、買い替えの回数そのものを減らせます
お金の使い方や、物価高のなかでの家計の守り方は、こちらでも書いています。
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配達員・個人事業主にとって
ここは、私のような配達員の視点で。
配達は、体が資本です。とくに夏場は、炎天下での稼働で熱中症のリスクが高い。だからこそ、自宅でしっかり体を冷やして休む環境は、ぜいたくではなく「仕事を続けるための備え」です。エアコンは、無理に削っていいものではありません。
とはいえ、煽られて慌てて買い替える必要もない。今のエアコンが使えるなら使い続け、寿命が来たら、省エネ性能と電気代まで含めた総額で、計画的に選ぶ。煽りに乗らず、必要なものは賢く備える——これが、体もお金も守るやり方です。
まとめ
- 「2027年問題」は、省エネ基準の引き上げと冷媒規制が重なる節目。安いモデルが減り、値上がりの可能性
- ただし、今のエアコンは2027年以降も使えるし、修理もできる(資源エネルギー庁も明言)。慌てる必要はない
- 影響が出るのは「新しく買うとき」だけ
- 対策は3つ。①壊れていないなら買い替えない ②買い替えるなら計画的に・総額で判断 ③補助金を活用し長く使える機種を選ぶ
- 配達員にとって、夏に休む環境は仕事を続けるための備え。煽られず、賢く備える
「2027年問題」は、慌てる問題ではありません。今のエアコンは使えるし、次に買うときだけ、少し計画的に。煽りに乗らず、総額で選べば大丈夫です。

