店や事業をやっていると、「予約システム、入れませんか」「月々いくらで使えますよ」という営業が来ます。予約管理やPOS、店舗用アプリ。便利そうだし、月々の数字も安く聞こえる。でも、その契約が「リース」だったら、要注意です。
結論から言います。同じ「月々◯円」でも、いつでも解約できるサブスクと、途中で解約できないリースは、まったくの別物です。ここを混同させて売るのが、この商法の手口です。違いと落とし穴を整理します。
先に結論
- 店舗向けの予約システム・POS・アプリを「月々いくらで」と勧める営業。その契約がリースなら要注意
- 同じ「月々◯円」でも、解約自由なサブスク(SaaS)と、途中解約できないリースはまったくの別物
- リースは数年固定で中途解約できず、やめるなら残りのリース料相当の違約金。実態は分割払い=借金
- 信販会社経由なので、提供会社が倒産・サービス停止しても、リース料は払い続ける
- 月々の安さで、相場より割高な「高い商品」を掴まされることもある
- 予約システム等は、解約自由な月額サブスクか買い切りを選ぶ。「リースか・途中でやめられるか・違約金は」を必ず確認
「予約システム、月々いくらで」の正体
まず、何が起きているのかを押さえます。
店を始めると、向こうから営業が来ます。「予約システムを入れましょう」「月々◯円でいけますよ」。月々の数字を聞くと安く感じますが、その契約が信販会社を間に挟んだ長期リースだと、話は変わってきます。予約システムやアプリといった割高な「高い商品」を、月々の安さに包んで売る——これが手口です。実態は、分割払い=借金です。
この構造は、ホームページのリース契約とまったく同じです。あわせて読んでおくと、手口が一目で分かります。
一番大事な区別:「リース」と「サブスク」は別物
ここが、この記事で一番伝えたいところです。
同じ「月々◯円」でも、サブスク(SaaS)とリースは、性質がまったく違います。
- サブスク(SaaS):定額で利用でき、原則いつでも解約できる。常に最新版が使え、合わなければ別のサービスに乗り換えられる。契約は提供会社と直接
- リース:数年単位の固定契約で、中途解約ができない。やめるには残りのリース料に相当する違約金。契約はあなたと信販会社の間
「月々だから気軽ですよ」と言われても、それがリースなら、気軽どころか数年抜けられないということです。営業はこの違いをあいまいにしたまま、サブスクのような気軽さを装って売ってきます。
ただし、サブスクなら何でも安全、というわけでもありません。サブスクにも「最低契約期間」や「自動更新」「解約しにくい」といった縛りがあるものがあります。結局のところ大事なのは、「途中でやめられるか」「やめるときにお金がかかるか」を、契約前に必ず確認することです。
リースの落とし穴
リース特有の、こわい点を挙げます。
中途解約が原則できません。「思ったより使わない」「もっと良いサービスが出た」と思っても、途中でやめるには残リース料相当の違約金がかかります。
そして、提供会社が倒産したり、サービスを止めたりしても、リース料の支払いは止まりません。リース契約はあなたと信販会社の間のものだからです。アプリやシステムが使えなくなっても、払い続ける——という事態が起こり得ます。
そもそも、アプリやソフトは無形のもので、本来リース契約にはなじみません。それを長期リースの形にして縛るのが、この商法の問題点です。さらに、個人事業主・法人の契約は事業者間取引とされ、クーリングオフなど消費者向けの保護も及びにくい。月々が安く見えても分割(リース)は借金だ、という点は別記事でも書いています。
どうするか
守り方はシンプルです。
- その場で契約しない。営業は、はっきり断る。「検討します」で十分です
- 予約システムなどは、解約自由な月額サブスク(SaaS)か、買い切りを選ぶ。長期リースにしない
- 「これはリースか、サブスクか」「途中でやめられるか」「違約金はいくらか」「提供会社が倒産したらどうなるか」を確認する。契約書に信販会社やリースの文字が出てきたら要注意です
- 月々ではなく、総額で比較する。数年分を足すと、買い切りや解約自由なサービスのほうが安いことがほとんどです
もし困ったときは、消費生活センター(消費者ホットライン「188(いやや)」)に相談してください。事業者であっても、相談の道筋を教えてもらえることがあります。
まとめ
- 店舗向けの予約システム・アプリを「月々いくらで」と勧める営業。その契約がリースなら要注意
- 同じ「月々◯円」でも、解約自由なサブスクと、中途解約できないリースはまったくの別物
- リースは数年固定・中途解約不可・残リース料相当の違約金。提供会社が倒産しても支払いは残る
- アプリは無形でリースになじまない。事業者間取引はクーリングオフが効きにくい
- 解約自由なサブスクか買い切りを選ぶ。「リースか・やめられるか・違約金は」を契約前に確認。困ったら188
「月々」の安さではなく、リースかどうか、途中でやめられるか。そこを確かめれば大丈夫です。
この罠は、契約の前に「リースか、解約できるか」を確かめるだけで避けられます。
