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割高な金融商品は”窓口”で売りつけられる|近づかないのが最強の防御

節約・お金
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金融商品で損をする人の多くは、「何を買うか」より前のところで、すでに勝負がついています。割高な商品をつかまされた人には、だいたい共通点があるんです。それは——“窓口”に行っていること。

銀行の窓口、証券会社の窓口、住宅展示場、無料のFP相談、保険の相談窓口、そしてIFA。どれも「無料」「気軽」「中立」に見えます。でも、その見た目こそが落とし穴です。この記事では、6つの窓口の”お金の流れ”を一つずつ開けて、なぜそこで割高な商品が出てくるのかを説明します。

先に結論

  • 無料・気軽・中立に見える窓口ほど、裏に「あなたが商品を買うと、相手にお金が入る」構造がある
  • だから、相手の取り分が大きい商品=あなたにとって割高な商品が、自然と前に出てくる
  • これは担当者一人ひとりが悪人だから、ではない。報酬の仕組み(利益相反)がそうさせている
  • 6つの窓口の「お金の流れ」を知れば、近づかないことが最強の防御だと分かる
  • 例外もある(後で線引きします)。でも原則は「窓口に行く前に、自分で最低限を決めておく」

なぜ”窓口”そのものが危ないのか

個別の商品の話に入る前に、すべての窓口に共通する一本の構造を押さえておきます。

金融庁が示している「顧客本位の業務運営に関する原則」というものがあります。そのなかの原則3は、ざっくり言うと「販売会社が、商品の提供元から手数料を受け取る立場にあるなら、それは顧客との利益相反になりうる」とはっきり書いています。さらに原則7では、報酬や業績評価の仕組みが従業員の動機づけになる、とも指摘しています。

これは当局が公に認めている話です。つまり、窓口に座っている担当者は、「あなたの最善」と「自分(と会社)の報酬」のあいだに立っている。そして、その報酬は、あなたが払う見えないコストから出ています。

怖いのは、このコストが商品の値段の中に溶けていて、外から見えないことです。値札に「手数料○万円」と書いてあれば誰でも避けます。でも、価格の内側に溶け込んでいると、払っていることにすら気づけません。窓口で出てくる商品ほど、このコストが見えにくい——そう考えておくと大きく外しません。

では、6つの窓口を順番に開けていきます。

窓口①:銀行の窓口

「銀行が扱っているから安心」。この思い込みが、いちばん危ない入り口です。

かつて銀行の本業は、お金を貸して利ざやを得ることでした。ところが長く続いた低金利で、それだけでは十分に稼げなくなった。そこで力が入ったのが、手数料の取れる金融商品の販売です。投資信託、外貨建ての保険、そして仕組債。これらを窓口で勧めるようになりました。

実態は、当局の動きを見れば分かります。金融庁は、複雑で高リスクな仕組債の販売をめぐって、地方銀行99行とグループの証券会社27社を対象に一斉調査に乗り出しました。その後、大手地銀グループ数社には、顧客の投資経験や方針に合わない販売・勧誘があったとして業務改善命令まで出ています。問題視されたあと、個人向けの仕組債の販売額は、ピーク時のおよそ10分の1以下にまで急減しました。裏を返せば、それまでは資産形成層にまで複雑な商品が広く売られていた、ということです。

外貨建ての保険も同じ構図です。国民生活センターは、外貨建て生命保険に関する相談が急増していると警告しています。ある年度の相談件数は500件超で、数年前の3倍以上。相談者の約半数が70歳以上、平均の契約金額は1,000万円前後。「定期預金のつもりだったのに、外貨建ての保険だった」という相談が典型です。

窓口の担当者に悪意があるかどうかは、ここでは問題ではありません。低金利で手数料ビジネスに頼らざるを得ない構造があり、その先に「あなた」が座っている。それだけで、勧められる商品の傾向は決まってしまいます。

窓口②:証券会社の窓口(対面)

対面の証券窓口は、ネット証券と比べて手数料が高いのが基本です。同じ商品でも、人を介する分のコストが乗ります。

なかでも仕組債は、構造そのものが利益相反と相性が良い商品です。手数料が販売価格の中に内包されていて、買う側からは見えません。さらに、早期償還の条件に達すると、担当者は別の仕組債を勧めてくることが多い。売買を繰り返してもらうほど、会社の手数料収入は増えます。これは「回転売買」を誘いやすい構造です。

「親身に何度も連絡をくれる」担当者ほど、その連絡が誰の利益のためなのかを、一度立ち止まって考えたほうがいいということです。

窓口③:ハウスメーカー(住宅展示場)

「ちょっと見るだけ」のつもりで足を運んでも、住宅展示場では営業担当がつきます。彼らの多くは契約獲得が成果につながる立場です。

だから、相場より割高な契約や、不要なオプションに話が向かいやすい。さらにやっかいなのは、ここが「サブリース」や「相続対策のアパート」への入り口にもなることです。土地活用や節税を切り口に、長期で重い契約へと誘導されるケースは少なくありません。

サブリースやアパート建築が、なぜ”罠”になりやすいのかは、別の記事で構造ごと解説しています。

窓口④:無料のFP相談窓口

「無料」で、しかも「中立」。いちばん安心して近づいてしまう窓口かもしれません。

でも、ここで一度考えてほしいんです。人が時間を使って相談に乗って、なぜタダで成り立つのかを。答えはシンプルで、収入源が提携先の保険会社などからのインセンティブだからです。つまり、あなたが何かに加入して初めて、相談員にお金が入る。

そうである以上、手数料の高い商品を勧める動機は、構造として残ります。「中立」という看板は、必ずしも「あなたの最善だけを考える」を意味しません。中立を装った販売チャネルである可能性を、頭の隅に置いておくべきです。

窓口⑤:保険の相談窓口(来店型の保険ショップ)

駅前やショッピングセンターでよく見る、保険の相談ショップ。「何度でも相談無料」とうたっています。

このからくりも、業界の側が公式に認めています。無料相談が成り立つのは、契約が成立したときに保険会社から支払われる契約手数料(代理手数料)があるからです。複数社を比較できる便利さは確かにあります。でも、報酬の出どころが「契約成立」である以上、取扱社や手数料の高い商品に話が寄りやすい、という傾向は避けられません。

この「代理店手数料」が、あなたの払う保険料のどこに潜んでいるのか。その正体は、こちらの記事で詳しく開けています。

窓口⑥:IFA(独立系のアドバイザー)

「独立系」という名前は、いかにも中立そうに響きます。ですが、ここも”無料”の裏側を見る必要があります。

相談料が無料でも、金融商品の売買手数料、投資信託の信託報酬、残高に連動した報酬など、別の形で費用が発生します。報酬がコミッション(販売手数料)型だと、やはり回転売買や高コスト商品のインセンティブが残ります。「独立」と「あなたの利益だけを見る」は、イコールではありません。

全部が”悪”ではない——線引きをしておく

ここまで読むと「窓口は全部ダメなのか」と感じるかもしれません。そうではありません。これらは詐欺ではないし、便利な面も確かにあります。線を引く鍵は一つだけ、「報酬の出どころ」です。

  • フィーオンリー型のFPやIFA——つまり、相談料や預かり資産の残高だけで報酬を取り、商品販売の手数料を受け取らないタイプは、利益相反が小さく、ここまでの話とは別物です。
  • 「対面の安心にお金を払う」と納得したうえで選ぶなら、それは本人の自由な選択です。

問題なのは、「無料・中立」だと思い込んだまま、見えないコストを払ってしまうこと。仕組みを知ったうえで使うのと、知らずに勧められるままに契約するのとでは、結果がまったく変わります。

防御は「窓口の前に、たった1分」

では、どうすれば守れるのか。難しいことはいりません。何かを勧められたら、買う前に1分だけ、この3つを自分に問うてください。

  • これを私が買うと、誰に、いくら入るのか
  • 同じ目的を、もっと低コストで満たす方法はないか(ネット証券のインデックス投資や、つみたてNISAの基準=販売手数料ゼロ・低い信託報酬・毎月分配なし・複雑な仕組みなし、が一つの物差しになります)
  • この「無料」は、何で稼いで成り立っているのか

この1分を挟むだけで、窓口で前に出てくる割高な商品の大半は、最初から候補から外れます。

まとめ

  • 金融商品は「何を買うか」の前に、「どこで相談するか」で半分決まる
  • 無料・気軽・中立に見える窓口ほど、報酬の出どころに利益相反がある(金融庁も、提供元から手数料を受け取る立場を利益相反として明記している)
  • 銀行・証券・住宅展示場・無料FP・保険ショップ・IFAの6つは、近づかないことが最強の防御
  • ただし例外(フィーオンリー型)はある。原則は「窓口の前に、自分で最低限を決めておく」
  • 大事なのは、相手を疑うことではなく、お金の流れを知ること

この罠は、構造を知っているだけで避けられます。

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