なぜ、この記事を書くのか
Uber Eatsの配達には、上司も、先輩も、同僚も、後輩もいません。
これは、思っている以上に大きなことです。職場のストレスの多くは、仕事そのものより「人」から生まれます。上司の顔色をうかがう、先輩の機嫌に気をつかう、同僚のマウントを受け流す、後輩の面倒に振り回される——その摩擦、軋轢、いじめ、マウントが、配達の仕事にはまるごと存在しません。



画像のように、ウーバーから私は「◯◯◯◯様」と呼ばれています。これまで「◯◯君」と呼ばれ、あるいは呼び捨てにされてきた人にとっては、これだけでも溜飲が下がるのではないでしょうか。
青いボタンを押せば、自分の好きなタイミングで稼働を開始できます。赤いボタンを押せば、いつでもやめられます。朝6時に始めてもいい、昼12時に始めてもいい。夕方6時でも、深夜0時でもいい。1時間で終わってもいい、3時間でも、10時間でもいい。1年365日走ってもいいし、1日も走らなくてもいい。
だから、休憩も食事もトイレも買い物も用事も、自分の好きなタイミングで済ませられます。合間に子どもの送り迎えをすることも、高齢の親をデイサービスへ送っていくこともできます。誰かの了解を得なければならない、ということがないのです。
面接はありません。履歴書も、学歴も、資格も要りません。軽自動車が運転できて、スマホアプリが操作できれば十分です。私の場合、アカウントを申請してから数日で承認され、稼働を始められました。売上金は週に一度(私は毎週火曜日)、指定した銀行口座に振り込まれます。毎月の支払いに間に合います。オフィスも事業所も営業所もないので、出勤・退勤という概念そのものが存在しません。
報連相も、ないに等しい。「お客様からクレームが入りました、直ちに対応してください」「今日の書類を提出してください」——そうした指示や指令の連絡、電話はありません(ただし、誤配や交通事故など、こちら側が説明しなければならない事案は別です)。日報や稟議書、議事録といった、会社が課してくる内部書類もゼロ。スマホに配達依頼の通知が入り、軽自動車でお店まで行き、商品を受け取り、お客様に渡す。ただ、それだけです。お客様からのクレームは運営が間に入って処理してくれるので、こちらが矢面に立つことはありません。
指示してくる人がいない。評価されるのは、頼まれた商品をきちんと届けられたかどうか。それだけです。人間関係に神経をすり減らすことなく働けて、それでいて、稼げます。私自身、現役の配達員として5年以上走ってきて、条件がそろえば月50万円を超えることもありました。もちろん誰でも初月からそうなるわけではありませんが、頑張った分がそのまま自分に返ってくる仕事です。
この記事は、次のような悩みを抱えている人にこそ読んでほしいと思っています。
- 職場の人間関係に疲れ果てた人。人間関係は、退職理由の実質1位です。ある調査では、人間関係が原因で辞めた人が46%で第1位でした。
- 上司のパワハラ・モラハラに耐えている人。気分次第で怒鳴られ、顔色をうかがう毎日から降りたい人。
- 満員電車の通勤が限界の人。通勤時間が1時間を超える人の8割以上がストレスを感じ、「リモートで働きたい」は今や過半数の声です。
- 夫の収入に依存していて、家を出られない人。経済的な足がかりがないと、つらい関係からも離れられません。
- シングルマザーで、パート収入では足りない人。パートで働くシングルマザーの平均収入は月15万円ほど。子どもの予定に合わせて自分でシフトを組めます。
- 人と話すのが苦手な人。接客や電話対応が苦痛でも、配達はアプリでほぼ完結します。
- 組織の暗黙のルールに馴染めない人。空気を読む文化が負担でも、配達の手順は明確です。
- 40代・50代で、手取り十数万円のまま頭打ちになっている非正規の人。非正規社員の月収は15〜17万円ほどにとどまることが多く、年齢を重ねても賃金はなかなか上がりません。配達は年齢や経歴を問われず、働いた分だけ収入に直結します。
- 日曜の夕方、月曜のことを考えると気が重くなる人。「また明日から仕事か」と胃が痛くなる毎日。その憂鬱の正体が職場や人間関係なら、そこから離れる働き方があります。
- 働いても働いても、暮らしが楽にならない仕事に疲れた人。低い時給、長い勤務時間、取りにくい休み、それでいて客からの理不尽にも耐える——飲食、宿泊、販売、介護など、頑張りが賃金に見合わない現場は少なくありません。配達は、働いた時間がそのまま収入に返ってきます。
ひとつでも当てはまったなら、この先を読む価値があります。稼ぐ手段はあとから替えがききますが、人に消耗し続ける毎日は、替えがきかないあなたの時間を削っていくからです。
ここからは、Uber Eatsの始め方から、実際の稼働、稼ぐための仕組みまでを、現役配達員の実体験として具体的に解説していきます。
なぜ軽自動車なのか
配達車両として、私は軽自動車をすすめています。逆に、自転車とバイクはすすめません。「がっつり稼ぐ」前提だと、理由ははっきりします。
まず自転車。稼ぐなら稼働時間が収入に直結します。私は1日11時間以上、週6日走っていますが、これを自転車でやるのはまず無理。副業ならいい運動でも、本業として毎日漕ぎ続けるのは体力が持ちません。
体力だけならバイクで解決します。脚で漕がないぶん消耗は抑えられ、原付に乗り換えて稼働を伸ばす人も多い。
問題はその先で、バイクは事故ったとき軽傷では済みません。警察庁の統計では致死率が自動二輪で約1.65%、原付で約0.73%。自動車の約0.39%と比べ、二輪で約4倍、原付でも約2倍です。理由は体がむき出しだから。守る箱もエアバッグもなく、衝撃を直接受ける。しかも配達中の事故は相手の多くが自動車で、こちらが気をつけても避けきれない場面があります。
毎日長時間、週6日。路上にいる時間が長いほど事故の確率は上がり、一度事故れば軽傷では済まない。この2つが重なるから、私はバイクを本業の足にはすすめません。
稼ぐ手段は替えがききます。でも体と命は替えがきかない。だから私は軽自動車を選びました。
実は、屋根付きバイクで2か月走った経験があります
統計の話をしましたが、私はこれを身をもって知っています。ジャイロキャノピーという、屋根とスクリーンが付いた50ccのバイクで、7月と8月の真夏に2か月間だけ稼働したことがあるのです。この2か月が、いかに過酷だったか。
稼働初日から、暑さが尋常じゃなかった。 風のない快晴の日で、走り出してすぐ「これはやばい」と感じました。その日、私はローカットのスニーカーにアンクルソックス、足首が出た状態でした。信号待ちで足首が異常に熱い。よく見ると、日差しでじりじりと焼ける音まで聞こえるほどでした。軽トラの時は屋根とキャップで顔が焼けることはなかったので、日焼け対策がすっかり抜けていたのです。その日の夜、すぐに空調服を注文し、翌日から着て走りました。それでも、暑い。バッテリーは重いし、ストレスもすごい。
怖くて、スピードが出せない。 50kmを超えると恐怖心で体が小刻みに震えてきて、危なくて運転できません。かといって速度を落とせば、今度は後続車に煽られる。屋根とスクリーンがあるといっても、防げるのはある程度の風と雨まで。ゲリラ豪雨にはなすすべもなく、ずぶ濡れです。昼ならまだ乾きますが、夕方以降だと冷えるので、家に帰って着替えるしかありませんでした。
そして、身体が壊れていく。 11時間走ったあと、ひどいむち打ちに悩まされました。重いヘルメットと、バイクの振動が原因だったのだと思います。身体への負担があまりに大きく、それが耐えられなくなって、私は車に戻りました。
暑さも、恐怖も、雨も、身体の痛みも、全部ひっくるめて「これは長く続けられない」と身体が教えてくれた2か月でした。だから私は、自信をもって軽自動車をすすめます。
軽自動車をすすめる理由は、まだまだあります。天候に左右されない、車内が自分だけの休憩空間になる、荷物の積載を気にせず済む——5年間の実体験から分かった理由を、こちらの記事に詳しくまとめています。
軽自動車を用意する
軽自動車での配達を始めるには、まず車が必要です。用意の仕方は大きく2つあります。
すでに軽自動車を持っている場合が、いちばん話が早いです。ただし自家用(黄色ナンバー)のままでは営業配達に使えないので、あとで解説する黒ナンバーへの変更が必要になります。
中古で買う場合に実際いくらかかるのかは、私が総額25万円で買ったときの記録が参考になると思います。店でかかった費用や保証の中身まで、正直に書いています。
▶ リバティでホンダ ライフを買った正直な記録|費用・特典・紹介制度まで全部書く
ちょっと待って、軽バンを選ぶ前に
「軽自動車がいいのは分かったけど、何でもいいの? よく軽バンで配達しているのを見かけるけど、あれがいいの?」——そう思った人は、ちょっと待ってください。
同じ軽自動車でも、軽トラ・軽バンなどの「軽貨物車」と、スーパーハイトワゴンなどの「その他の軽自動車」では、任意保険料に大きな差があります。 軽貨物車のほうが、月の保険料はかなり高いのです。
配達で扱う商品の大半は、弁当1〜2個、牛丼やハンバーガーが1〜2袋、コンビニの商品が入った袋がいくつか、といったところ。軽バンほどの荷室スペースは、まったく必要ありません。それなのに保険料だけ高くつくのは、もったいない話です。
だから、これから車を選ぶなら、荷物もそこそこ積めて保険料も安いスーパーハイトワゴンがおすすめです。詳しくは下記の記事にまとめています。
▶ 詳しくは:配達員向けの任意保険と車種の選び方
荷室が狭い車でも大丈夫。買い直しは不要
「スーパーハイトワゴンがいいのは分かった。でも、自分が持っているのは荷室の狭い車なんだけど……買い直さないとダメ?」
そんな心配はいりません。実は先日、稼働中に黒ナンバーのホンダ S660を見かけました。2人乗りで荷室もほとんどない、あのオープンスポーツカーです。あれで配達できるの? と思うかもしれませんが、できるのです。
以前は軽バン・軽トラといった軽貨物車しか配達に使えませんでしたが、2022年10月の規制緩和で、軽乗用車全般が配達に使えるようになりました。 構造を変える必要もなく、後部座席を残したまま黒ナンバーを取れば、事業用に使えます。積める荷物の重さには上限(乗車定員4人・運転手1人なら最大165kg)がありますが、弁当数個を運ぶフードデリバリーで、これが問題になることはまずありません。
だから、S660のような荷室の狭い車を持っている人でも、わざわざ買い直す必要はありません。手持ちの軽自動車で、そのまま始められます。
これから買う場合は、中古で十分です。配達は距離を走るので、新車を買うと減価が大きく、もったいない。私は中古の軽自動車を総額25万円で購入して、今も現役で使っています。安く買って長く乗る。これが配達で車代を回収する近道です。
▶ 実体験の詳細はこちら:【実体験】ホンダ ライフを総額25万円で買った全記録
では、どこで買えばいいのか。私はGoogleマップで一番近い中古車販売店から順に、ひとつひとつリサーチしていきました。近所の店を実際に回って、そのなかで見つけたのが今のホンダ ライフです。ネットの中古車サイトも便利ですが、近くの店を自分の足で見て回ると、掘り出し物に出会えることがあります。
ベストは、N-BOXのようなスーパーハイトワゴンや、ライフのようなハイトワゴンです。天井が高いぶん、荷物の出し入れや車内での作業がしやすい。ただ、これはあくまで理想の話。最後はあなたの懐事情次第なので、無理のない範囲でご自身の判断に委ねます。予算に合う軽自動車が見つかれば、それが正解です。
【注意】Uberに登録できる車両の条件 車を用意する前に、ひとつ知っておいてほしいことがあります。Uberに配達車両として登録するには、製造年が1996年以降で、事故歴のない車両であることが求められます。実際の登録画面でもこの条件が表示されます。あまりに古い車や、事故歴のある車は登録できないことがあるので、中古で選ぶときは年式もチェックしておきましょう。
始め方の全体像〈7ステップ〉
軽自動車を用意したら、いよいよ配達を始めるための手続きに入ります。軽自動車でUber Eatsを始めるには、次の7つのステップを踏みます。手続きと聞くと身構えるかもしれませんが、ひとつずつ進めれば難しくありません。まずはここで全体像をつかんでください。各手続きの詳しいやり方は、それぞれの個別記事にまとめています。
①開業届+青色申告承認申請(税務署)
配達は個人事業になるので、税務署に開業届を出します。あわせて青色申告の承認申請も出しておくと、申告のときに節税できます。どちらも提出は無料で、難しい書類ではありません。
会社員やパート・アルバイトの頃は、会社が年末調整で税金の計算をやってくれていました。でも個人事業主になると、確定申告は自分でやらなければなりません。そして、今回いちばん大事なのが青色申告承認申請です。 私はこれを出さずに白色申告のまま2年間過ごし、正直、地獄を見ました。青色申告なら受けられる控除を丸ごと逃していたのです。開業届と一緒に、必ず青色申告承認申請も出しておいてください。あとで「やっておけばよかった」と後悔するのは、私だけで十分です。
▶ 詳しくは:開業届と青色申告の出し方
②貨物軽自動車安全管理者の選任届(2025年4月〜の新ルール)
2025年4月から、軽自動車で配達する人には「貨物軽自動車安全管理者」を選任して届け出ることが義務づけられました。届け出は一度きり。多くの場合、自分自身を管理者として選任します。次の③の適性診断とセットで必要になります。
▶ 詳しくは:貨物軽自動車安全運転管理者講習について
③適性診断を受ける
安全管理者に選ばれた人は、適性診断を受ける必要があります。自動車事故対策機構(NASVA)などで受診でき、eラーニングでも受けられます。費用は数千円程度です。
▶ 詳しくは:適性診断の受け方
④黒ナンバーを取得する
自家用の黄色ナンバーのままでは、配達(営業)に使えません。運輸支局で手続きをして、事業用の黒ナンバー(正式には黒地に黄文字のナンバープレート)に変えます。①〜③の書類がそろっていれば、その日のうちに交付されることもあります。
▶ 詳しくは:黒ナンバーの取得手順
⑤任意保険を事業用に切り替える
自家用のままの任意保険では、配達中の事故が補償されないことがあります。必ず事業用(業務用)に切り替えておきましょう。ここを見落とすと、いざというときに保険が使えません。
▶ 詳しくは:配達員向けの任意保険の選び方
⑥車にサインを表示する
黒ナンバーの車には、法律で決められた表示が必要です。氏名(または屋号)と、事業の種類を車体の見やすい場所に表示します。マグネットで貼り付けられるものを使えば、稼働のときだけ付け外しできて便利です。
⑦ドライバーアプリの登録
軽自動車と手続きの準備がそろったら、いよいよ最後のステップ、Uber Eatsの配達員登録です。Uber公式ページからアカウント登録を申請し、必要書類(運転免許証、車検証、黒ナンバーの写真、任意保険証など)をアップロードして審査を受けます。審査に通ってアカウントが有効になれば、あとはアプリをオンラインにするだけで、配達リクエストが届き始めます。
登録の具体的な手順や、提出書類の詳しい一覧は、こちらにまとめています。
▶ Uber Eats 車両変更・アカウント登録の手続き完全ガイド
ここが「アカウント取得まで」のゴールであり、同時に配達員としてのスタートラインです。
アカウントが届いたら、次はこの記事へ
申請から数日で、アカウント付与のメールが届きます。そのとき、たいていの人はこう思うはずです。「で、明日の朝、何を押せばいいのか」と。
その答えを、Uber Eats アカウント取得後の全操作|現役配達員が画面ごと見せる、初日の稼ぎ方にまとめました。稼働前のアプリ設定から、オンライン→依頼を受ける→お店でピック→お客様に渡す→オフラインにするまでの全操作を、実際の画面90枚で追っています。
初日に迷わないために、ブックマークしておいてください。
稼働の際に必要なアイテム
アカウントが有効になったら、いよいよ配達開始です。ただ、その前にそろえておきたい道具がいくつかあります。
必須なのは、スマホホルダーとスマホの充電環境です。配達中はずっとナビを見ながら走るので、スマホを固定するホルダーと、走りながら充電できるシガーソケット充電器は、なくてはならない道具です。あとは料理を安定して運ぶための保温バッグ。これがあるだけで、汁物やドリンクをこぼす不安がぐっと減ります。
私が5年間の稼働で実際に使い続けて「これは残った」という道具と、その選び方の注意点を、こちらの記事に具体的にまとめています。無駄な買い物をせずに済むはずです。
稼働開始後のイメージ/稼ぎの目安
アプリをオンラインにすると、近くの店から配達リクエストが入ります。表示された店へ料理を取りに行き、指定された場所へ届ける。これが1件の流れで、あとはこの繰り返しです。
慣れるまでは1件ずつ丁寧に。慣れてくれば、鳴った注文をどう受けるか、どのエリアで待つか、といった立ち回りで効率が変わってきます。
稼ぎは、稼働した時間と立ち回り次第です。私の場合、1日11時間以上・週6日というフルの働き方で、条件がそろえば月50万円を超えることもありました。もちろんこれは長時間しっかり走った場合の話で、副業として1日数時間なら、その分の収入になります。大事なのは、雇われと違って働いた分がそのまま自分に返ってくるということです。
実際にどれくらいの売上になるのか、私の30日分の実績を全部公開しています。総売上、平均時給、配達回数まで数字で出しました。
▶ ウーバーイーツ30日間の総売上511,220円|数字を出したら、記帳と確定申告まで
まとめ
- Uber Eatsの配達には上司も同僚もいない。人間関係の摩擦から解放されて働ける。
- 本業でがっつり稼ぐなら、体力と安全の両面から軽自動車がおすすめ。
- 中古車なら安く始められる。身の丈に合った車を選ぶこと。
- 始め方は7ステップ。開業届→安全管理者→適性診断→黒ナンバー→任意保険→サイン表示→アプリ登録。
- 最後にドライバーアプリを登録すれば、その日から配達員としてスタートできる。
- 稼ぎは稼働時間と立ち回り次第。働いた分がそのまま自分に返ってくる。
職場の人間関係に疲れた人も、通勤に消耗している人も、経済的な足がかりがほしい人も。Uber Eatsは、人に消耗せずに稼げる選択肢のひとつです。まずは軽自動車を用意して、一歩を踏み出してみてください。

