私は今年の1月から、高速情報協同組合のETCカードを使っています。クレジットカードを持っていないので、クレジット機能のない、個人事業主でも作れるETCカードを探して申し込みました。
使い始めて9か月。カードそのものに不満はありません。ただ、この記事を書くために調べてみて、初めて知ったことがあります。高速道路会社が出している「ETCパーソナルカード」という選択肢があり、使い方によってはそちらのほうが安いということです。
先に結論を書きます。
- 最初に用意するお金を1万円に抑えたいなら → 高速情報協同組合のETCカード
- 保証金をまとめて預けられて、高速代が多いなら → ETCパーソナルカードのほうが安い
この記事では、私が実際に払った費用をもとに、2つのカードを正直に比べます。
高速情報協同組合のETCカードとは
高速情報協同組合のETCカードは、法人と個人事業主だけが申し込める、クレジット機能のないETC専用カードです。使えるのは高速道路などの通行料金の支払いだけで、買い物には使えません。発行元は福岡県北九州市にある協同組合で、カードを使うには組合に加入します。
かかる費用(公式サイトより)
| 項目 | 金額 | いつかかるか |
|---|---|---|
| 出資金 | 10,000円/1社 | 加入時のみ(脱退時に返金) |
| カード手数料 | 550円(税込)/1枚 | 発行時のみ |
| 年間手数料 | 550円(税込)/1枚 | 年1回 |
| 事務手数料 | 走行料金の8% | 毎月 |
最初に用意するのは、出資金1万円とカード手数料550円です。出資金は預けるお金で、組合を抜けるときに返ってきます。
費用でいちばん大きいのは、毎月の走行料金の8%にあたる事務手数料です。高速道路をたくさん使う人ほど、この8%が効いてきます。
出典:高速情報協同組合 法人ETCカード(2026年10月12日確認)
9か月使って、実際にいくらかかった?
9か月で払った8%の手数料は、合計で約2万円でした。高速代が多い月ほど、手数料も増えます。
1〜8月は、岡山の自宅と兵庫県の拠点を、毎週往復していました。9月からは帰るのが月1回になり、高速代も大きく減りました。
| 時期 | 毎月の高速代 | 8%の手数料(月) |
|---|---|---|
| 1〜8月(毎週往復) | 約3万円 | 約2,400円 |
| 9月〜(月1回) | 約7,000円 | 約560円 |
※銀行口座から引き落とされた金額をもとにした、おおよその数字です。
毎週往復していた頃のペースが1年続くと、手数料だけで年約2万9,000円になります。月1回の今のペースなら、年約6,700円です。どちらの場合も、これに年間手数料550円が加わります。
なお、高速代も8%の手数料も、仕事で使った分は経費になります。
申し込みから届くまで
申し込みはWebのフォームから始めました。カードが届くまでは、2週間くらいかかったと記憶しています。
- Webの申し込みフォームに入力して送る
- 郵送で書類が届くので、必要書類をそろえて返送する
- 出資金1万円を振り込む
- 振り込みが確認されると、カードが発送される
- 届いたカードを車のETC車載器に差して使う
公式サイトによると、個人事業主が用意する書類は、所得税の確定申告書(開業届でも可)、車検証、セットアップ証明書、運転免許証の4つです。どれもコピーで大丈夫で、そろわない場合はほかの書類で代用できることもあるので、電話で相談するよう案内されています。
申し込みに必要な「セットアップ証明書」は、車載器を車に取り付けて、車の情報を登録(セットアップ)したときにもらう書類です。車載器がまだ付いていない人は、先に用意しておく必要があります。
私の車に付いているのは、パナソニックの「CY-ET926D」です。中古車を買ったリバティで用意して取り付けてもらい、そこにこのカードを差して使っています。音声で案内してくれるシンプルな機種で、値段は1万円しないくらいです。
古いセキュリティ規格の車載器は、将来使えなくなる予定になっています。この機種は新しい規格に対応しているので、これから付けるならこういった「新セキュリティ対応」のものを選んでおくと安心です。
Amazonなどで車載器だけを買った場合も、取り付けとセットアップはカー用品店などのセットアップ店に頼む必要があり、その費用が別にかかります。
支払いと明細
支払いは、銀行口座からの引き落としです。公式サイトによると、月末締めで翌月20日ごろに請求書が公開され、代金は翌々月に口座振替されます。いくら使ったかは、銀行口座の明細で確認しています。
使ってみての口コミと、申し込む前の注意点
9か月使って、困ったことや不満は特にありません。よかったのは、クレジットカードを持っていなくても、ETCレーンをスッと通り抜けられることです。休日割引や深夜割引といったETCの割引も使えます。
そのうえで、申し込む前に知っておいてほしい点が3つあります。
1. 毎月8%の手数料がかかる
費用でいちばん大きいのはこれです。年間手数料の550円より、毎月の8%のほうがずっと重くなります。毎週往復していた頃のように高速代が月3万円なら、手数料は月2,400円ほどです。
2. ETCマイレージは自分で登録できない
公式サイトによると、ETCマイレージサービスの登録・管理は組合が行い、組合員が個別に登録・管理することはできません。組合を通した還元はありますが、自分のアカウントでマイレージのポイントを管理したい人には向いていません。
3. 申し込めるのは法人と個人事業主だけ
会社員として個人で使うためのカードではありません。仕事で高速道路を使う、法人か個人事業主が対象です。
ETCパーソナルカードとの比較:どっちが安い?
毎年の費用だけで比べると、ETCパーソナルカードのほうが安くなります。その代わり、最初に預けるお金(保証金)が大きくなります。私は申し込んだとき、このカードの存在を知りませんでした。
ETCパーソナルカードは、NEXCO東・中・西日本や首都高速など高速道路会社6社が共同で出している、クレジット契約なしで使えるETCカードです。申し込み時に月の平均利用額を申告し、その4倍の保証金(デポジット)を預けます。カードを作ったあとも、利用額が増えると保証金の増額を求められることがあります。保証金は解約するときに返ってきます。年会費は1,257円(税込)で、走行料金に対する手数料はかかりません。
私の使い方で比べると
| 高速情報協同組合 | ETCパーソナルカード | |
|---|---|---|
| 最初に預けるお金(返ってくる) | 出資金1万円 | 保証金:月の平均利用額の4倍 |
| 毎年かかる手数料など | 年間手数料550円+走行料金の8% | 年会費1,257円 |
| 月3万円使う場合:預けるお金 | 1万円 | 12万円 |
| 月3万円使う場合:1年の費用 | 約2万9,350円 | 1,257円 |
| 月7,000円使う場合:預けるお金 | 1万円 | 約2万8,000円 |
| 月7,000円使う場合:1年の費用 | 約7,270円 | 1,257円 |
※協同組合のカードは、初年度だけカード手数料550円が別にかかります。
毎週往復していた頃のペースだと、1年で約2万8,000円の差です。月1回の今のペースでも、年6,000円ほどの差があります。それでも私は、今のところ切り替えは考えていません。パーソナルカードは月の利用額の4倍を保証金として預ける必要があり、まとまったお金がしばらく動かせなくなるからです。手数料の安さと手元のお金のどちらを重く見るかで、答えは人によって変わると思います。
どっちが向いている?
ETCパーソナルカードが向いている人
- 保証金(月の利用額の4倍)をまとめて預けられる
- 毎年の費用をできるだけ安くしたい
高速情報協同組合のETCカードが向いている人
- 開業したばかりなどで、最初に預けるお金を1万円に抑えたい
- 高速代が多く、パーソナルカードだと保証金が大きくなりすぎる
- 法人で、車ごとに何枚もカードを作りたい
預けたお金はどちらも返ってきます。違うのは「最初にいくら手元から出ていくか」と「毎年いくら手数料を払うか」です。ここを比べて選んでください。
まとめ:最初の負担を抑えるなら協同組合、毎年の安さならパーソナルカード
- 高速情報協同組合のETCカードは、法人・個人事業主向けの、クレジット機能のないETC専用カード
- 最初に必要なのは出資金1万円(脱退時に返金)とカード手数料550円。毎年550円と、毎月走行料金の8%がかかる
- 9か月使って不満はなし。8%の手数料は、高速代が月3万円の頃で月2,400円ほど
- ETCパーソナルカードは保証金(月の利用額の4倍)が要るが、年会費1,257円だけで手数料はかからない
- 最初の負担を1万円に抑えたい人は協同組合、保証金を預けられる人はパーソナルカードが向いている

